趣味で量子力学

著者:広江克彦
分野:理学
ページ数:280頁
判型:A5版
ISBN:978-4-8446-0837-0
定価:本体 2,000円 + 税
(2020.3.26追記)書影横の「立ち読みする」をクリックすると、サンプルページご覧いただけます!

人気webサイト「EMANの物理学」の書籍化第三弾は「量子力学」。量子力学の学習において初学者は、数学をどこまで深く学んだらよいのか、どこが量子力学の役に立つのかと不安にかられることが多い。その様な一般読者に向けて、本書では、読み手に線形代数やフーリエ解析などの基礎知識がないことを前提に、抽象的な数学と具体的な量子力学との関係を解説することに重点をおいている。

【著者紹介】
広江克彦(ひろえ かつひこ)…1972年生まれ。岐阜県出身。静岡大学理学部物理学科卒。同大学院修士課程修了。2000年より物理学を解説するwebサイト”EMANの物理学”の運営を開始。2007年に「趣味で物理学」、2008年に「趣味で相対論」、2015年に「趣味で量子力学」を上梓。現在は農業に片足をおきつつ、執筆に励む。”EMAN”(エマン)は中学の頃からのあだ名であり、ネットでも主にその名前で活動している。
目次正誤表追加情報
第1章 ミクロの世界の謎
1.1 知っていてほしい大事なこと
1.2 光は波なのに粒々だった!?
1.3 ド・ブロイ波
1.4 シュレーディンガー方程式
1.5 変数分離法
1.6 重ね合わせの原理
1.7 3次元への拡張
1.8 原子の構造
1.9 ボーア半径
1.10 電子は粒々なのに波でいいのか
第2章 複素数の性質
2.1 虚数は存在しない数か
2.2 加減乗除
2.3 複素平面
2.4 積の図形的意味
2.5 複素共役
2.6 テイラー展開
2.7 オイラーの公式
2.8 複素数の極形式表示
2.9 波動関数の位相の変化
第3章 理解を助ける計算例
3.1 なぜ単純な問題を解くのか
3.2 井戸型ポテンシャル
3.3 無限に深い井戸型ポテンシャル
3.4 壁に向かう粒子
3.5 トンネル効果
3.6 調和振動子
第4章 確率解釈
4.1 波動関数の規格化
4.2 3次元での存在確率
4.3 波の干渉
4.4 期待値
4.5 エーレンフェストの定理
4.6 エルミート演算子
4.7 不確定性原理
4.8 観測についての誤解
4.9 確率流密度
第5章 フーリエ解析
5.1 実フーリエ級数
5.2 周期を変えてみる
5.3 波で粒子を作る
5.4 複素フーリエ級数
5.5 フーリエ変換
5.6 不確定性原理、再び
5.7 運動量の期待値の意味
5.8 偶関数と奇関数
5.9 波束の崩壊
第6章 多粒子系
6.1 波動関数は現実の波ではなさそうだ
6.2 もう少し正確な原子の計算
6.3 ボソンとフェルミオン
6.4 統計性とスピン
6.5 エニオン
第7章 解釈論争
7.1 粒子性の正体
7.2 シュレーディンガーの猫
7.3 創作小話
7.4 ウィグナーの友人
7.5 多世界解釈
付録
A. 位相速度と群速度
B. 偏微分の座標変換
C. ガウス積分
D. ガウス分布のフーリエ変換
あとがき
参考図書
索引

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