阿波清五郎の解剖学語呂合わせAwa Segoro's Anatomy

著者:鹿野俊一
分野:医学
ページ数:384頁
判型:A6判
ISBN:978-4-8446-0835-6
定価:本体 1,600円 + 税
序文
 解剖学の授業の目的は,解剖学名(解剖学用語)を暗記することではなく,人体の構造を理解することです。しかし,初学者の多くは,解剖学名の暗記に労力を使い果たし,人体の構造を理解するための時間を十分に確保できなくなっているように思われます。
 著者は,その対策として「同じグループに属する構造物の解剖学名を効率的に記憶するための語呂合わせ」を作り始めました。そして,次に,それらに図と解説を加えたプリントを作成して,大学や専門学校の学生に配り始めました(本書のタイトルの一部となった阿波清五郎は,その時に使用したペンネームです)。
 その後,本として出版することを思い立ち,およそ3年かけて語呂合わせの数を大幅に増やしました。また,それまでは1頁を1単位としていたものを,見開きの2頁を1単位として学習できるように再編集しました。
 このような過程を経てようやく完成した本書が,皆様のお役に立つことを心より願っています。
目次正誤表追加情報
目次
第1部 総論
【ミクロの解剖学】
 DNAの塩基 
 RNAの塩基 
 組織の分類 
 上皮の分類 
【人体の面】
 人体の面 
第2部 骨格系
【骨の分類】 
 体幹の骨の分類 
【頭蓋】
 頭蓋を構成する骨(1):頭蓋腔の構成に関与する骨 
 頭蓋を構成する骨(2):頭蓋腔の構成に関与しない骨 
 眼窩を構成する骨 
 上顎骨の突起 
【胸郭】
 胸郭の構成要素 
 肋骨の分類 
【上肢骨】
 手根骨 
【下肢骨】
 足根骨(1):近位列と遠位列とに区分した場合 
 足根骨(2):内側列と外側列とに区分した場合 
【骨盤】
 分界線 
【縫合】
 鋸状縫合の実例 
【関節】
 肘関節の構成 
 横足根関節の別名 
【関節の補強靭帯】
 底側踵舟靭帯の別名 
第3部 筋系
【体幹の筋】
 体幹の筋の分類 
【背部の筋】
 背部の筋の分類 
 浅背筋(第1層・第2層) 
 深背筋(第1層・第2層) 
 固有背筋 
 脊柱起立筋 
 横突棘筋 
 後頭下筋 
【頭部の筋】
 咀嚼筋 
 表情筋 
 頭蓋表筋 
 耳介周囲の筋 
 眼裂周囲の筋 
 鼻部の筋 
 口裂周囲の筋 
【頸部の筋】
 頸部の筋の分類 
 舌骨上筋群 
 舌骨下筋群 
 斜角筋群 
 椎前筋群 
【胸部の筋】
 胸部の筋の分類 
 浅胸筋 
 深胸筋 
【腹部の筋】
 腹部の筋 
【上肢帯の筋】
 上肢帯の筋 
【上腕の筋】
 上腕の屈筋群 
 上腕の伸筋群 
【前腕の筋】
 前腕の屈筋群(1):浅層 
 前腕の屈筋群(2):深層 
 前腕の伸筋群(1):浅層 
 前腕の伸筋群(2):深層 
【手の筋】
 手の母指球筋 
 手の小指球筋 
 中手筋 
【下肢帯の筋】
 内寛骨筋 
 外寛骨筋(1):殿筋群 
 外寛骨筋(2):回旋筋群 
【大腿の筋】
 大腿の伸筋群 
 大腿の屈筋群 
 大腿の内転筋群 
 鵞足の構成に加わる筋 
【下腿の筋】
 下腿の伸筋群(1):狭義の伸筋群 
 下腿の伸筋群(2):腓骨筋群 
 下腿の屈筋群 
 下腿三頭筋の構成 
【足の筋】
 足の伸筋群 
 足の母指球筋 
 足の小指球筋 
 中足筋 
【筋などによって構成される三角】
 後頭下三角
 腰三角 
 顎下三角 
 頸動脈三角 
 大腿三角 
【筋などによって構成される隙】
 外側腋窩隙 
第4部 内臓 
【粘膜】
 粘膜の区分 
【消化器系】
 舌乳頭の種類 
 大唾液腺 
 小唾液腺 
 ワルダイエルの咽頭輪 
 小腸の区分 
 結腸の区分 
 結腸の特徴 
 結腸ヒモ 
 マイスネルの神経叢の別名 
 アウエルバッハの神経叢の別名
 肝臓の葉 
【呼吸器系】
 副鼻腔 
 喉頭の主な軟骨 
 壁側胸膜の区分
【泌尿器系】
 尿の産生と尿路
 マルピギー小体
【生殖器系】
 男性の生殖器 
 女性の生殖器 
【内分泌腺】
 内分泌腺 
 副腎皮質の区分 
第5部 脈管系
【血液】
 血液の有形成分 
 顆粒白血球 
【心臓】
 心臓の刺激伝導系
 左冠状動脈の枝 
【動脈】
 上行大動脈の枝 
 大動脈弓の枝 
 外頸動脈の枝
 舌動脈の枝
 顔面動脈の枝(1):頸部から出る枝 
 顔面動脈の枝(2):顔面部から出る枝 
 顎動脈の枝(1):下顎枝部から出る枝 
 顎動脈の枝(2):翼突筋部から出る枝
 顎動脈の枝(3):翼口蓋部から出る枝 
 浅側頭動脈の枝
 鎖骨下動脈の枝 
 甲状頸動脈の枝 
 腋窩動脈の枝 
 胸大動脈の枝
 腹大動脈の枝(1):壁側枝
 腹大動脈の枝(2):臓側枝
 腹腔動脈の枝 
 総肝動脈の枝 
 内腸骨動脈の枝(1):壁側枝 
 内腸骨動脈の枝(2):臓側枝 
 外腸骨動脈の枝 
 大腿動脈の枝 
【静脈】
 門脈に加わる主な静脈 
 奇静脈と半奇静脈の位置関係 
第6部 神経系
【脳】
 脳の区分 
 大脳基底核 
 線条体の構成要素
 脳幹の区分 
 中脳の区分 
 小脳の区分 
 小脳核 
【脳室系】
 脳室系 
【脊髄】
 脊髄の裂と溝 
【伝導路】
 温度覚と痛覚の伝導路において神経細胞体が存在する部位 
【脳神経】
 脳神経(前半) 
 脳神経(後半) 
 眼神経の枝 
 上顎神経の枝 
 下顎神経の枝(前半) 
 下顎神経の枝(後半) 
 下顎神経が支配する咀嚼筋以外の筋
 顔面神経の枝(1):顔面神経管の壁から出る枝 
 顔面神経の枝(2):茎乳突孔の下から出る枝 
 顔面神経の枝(3):耳下腺神経叢から出る枝 
【脊髄神経】
 第1・第2・第3頸神経の後枝
 頸神経叢の枝 
 腕神経叢の枝(1):鎖骨上部から出る枝 
 腕神経叢の枝(2):鎖骨下部から出る枝
 胸神経の前枝 
 腰神経叢の枝 
 仙骨神経叢の枝 
 陰部神経の枝 
【自律神経】
 副交感性の線維を含む脳神経 
 副交感性の線維を含む神経と,それに関係する神経節
   (1):翼口蓋神経節 
 副交感性の線維を含む神経と,それに関係する神経節
   (2):顎下神経節 
 副交感性の線維を含む神経と,それに関係する神経節
   (3):耳神経節 
 交感性の線維と副交感性の線維とを含む神経(1):小錐体神経 
 交感性の線維と副交感性の線維とを含む神経(2):翼突管神経 
第7部 感覚器 
【皮膚】
 皮膚の区分 
 表皮の区分 
【視覚器】
 眼球外膜の区分 
 眼球中膜の区分 
 眼球内膜の区分 
 涙の分泌と鼻腔への通路 
【聴覚器】
 外耳の区分 
 中耳の区分 
 耳小骨 
 内耳の区分
参考文献 
索引 
本書の特長

*解剖学名(解剖学用語)を楽しみながら正確に記憶することができます。

*動脈,末梢神経および頭部の筋に関しては中級程度の解剖学名も含まれていますが,記載されている解剖学名の大部分は基礎的なものです。そのため,医学部や歯学部の学生だけでなく,コメディカルの学生も使用することができます。

*語呂合わせの多くは,記憶しやすいように,七五調で表現されています。

*語呂合わせで示された解剖学名について,必要に応じて解説が加えられています。

*語呂合わせで示された複数の解剖学名は,多くの場合,教科書などに記載してある順序に従っています。例(脳室系):装具の質観光財産だから,注水 大事だっちゅう神官(=大事だと言う神官)。(側脳室,室間孔,第三脳室,中脳水道,第四脳室,中心管)

*語呂合わせの多くは,解剖学名の最初の文字だけではなく,複数の文字(可能であればすべての文字)が示されています。例(手の小指球筋):短所だらけの商事が移転,身近 な 商事 と くっついて,やっぱり小事 で 対立だ。(短掌筋,小指外転筋,短小指屈筋,小指対立筋)

*動脈の枝に「〜動脈」と「〜枝」が存在する場合には,両者を区別できるように工夫されています。例(浅側頭動脈の枝):顔面覆う 歯科戦士,善事開始も中速度。京子っつー眼科医は(=京子という眼科医は),全同志つれて,登庁し。(顔面横動脈,耳下腺枝,前耳介枝,中側頭動脈,頬骨眼窩動脈,前頭枝,頭頂枝)

 

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