理工図書ライブラリ

 

よくわかる数学物理化学

中学の実力から大学教養レベルへ

書籍情報

著者 高杉征樹
ジャンル 化学・物理
発行年月 2009年03月
ISBN ISBN978-4-8446-0723-6
価格 2,310円(本体価格 2,200円)

まえがき

この本は、中学校卒業程度の学力を前提として、高校から大学の教養レベルまでの数学及び物理学の基本的な内容を簡潔にまとめたものです。広範な分野の核心的な部分をごまかしなくまとめ、理系としての数学的、物理学的基礎を独習によって身につけられるよう配慮しました。特に、証明の省略や論理の飛躍を極力避け、かつなるだけ内容をコンパクトにすることで読者の負担を減らし、途中で挫折することがないように配慮しました。

大学では、学生はいろいろな本や講義から断片的に知識を身に付けて行きます。それにはもちろん良いところもありますが、ベーシックな部分を速やかに身につけることは現実的に重要です。ところが、各分野の基礎を身につけなければならない段階において、各分野の本を全て読むということには、時間的、金銭的に困難な面があります。適当な本を探すことにも苦労があります。まず、本格的な本では基礎的な部分の説明が不十分であったり、発展的な内容と基礎的な内容が混ざり合っていて初学者には取っ付きにくいということが良くあります。逆に易しめの本はその冗長さがうっとうしく思え、かつ核心部分がごまかされているというようなことが良くあります。さらに、ある分野の基礎を理解していないと、別の分野の基礎が理解できないということが良くあり、特にこのことが初学者の学習を困難にしています。以上のことから、数学・物理学の諸分野に渡る基礎的な内容が順序良く、簡潔に一冊にまとめられた本が必要であると考え、この本を書きました。

この本の構成は「高校数学」、「高校物理」、「高校化学」、「数学」、「物理学」に分かれており、章ごとに順を追って学習していくことでつまずきなく最後まで理解することができます。高校で履修した科目に関係なく大学教養レベルまでの数学及び物理学の基本が身につけられるよう高校レベルから始めていますが、このレベルを十分にマスターしている人は、「数学」から始めてもつまずくことはないでしょう。ただし、大学教養レベルの力学に関しては章を設けておらず、これに関する内容は「高校物理」と、「物理学」の解析力学と振動・波動に盛り込まれています。なお、「高校化学」を扱っているのは、量子化学や熱力学の応用など、化学の分野ではありながら物理学的な考え方が重要となるいくつかの事柄が、理系の基礎として学生に理解が求められることを考慮してのことで、「高校化学」を基礎とした上でこれらの事柄についてもこの本で説明しています

筆者のような若輩者がこのような試みをするというのは恐縮ではあるのですが、筆者は教育上の問題として基礎的な事柄を効率よく身に付けさせる手段というものはもっと検討されるべきだと考えており、この本はその一つの提案というわけです。

もくじ

  • 第Ⅰ部 高校数学
  • 第1章 数 学Ⅰ
  •  1.1  数と式
  •   1.1.1  数
  •   1.1.2  式
  •   1.1.3  倍数と約数
  •   1.1.4  合同式
  •   1.1.5  p進法表記
  •  1.2  方程式と不等式
  •  1.3  二次関数
  •   1.3.1  二次関数
  •   1.3.2  方程式の解と係数の関係
  •  1.4  関数とグラフ
  •  1.5  三角関数
  •   1.5.1  弧度法
  •   1.5.2  三角関数
  •   1.5.3  余弦定理と正弦定理
  •   1.5.4  加法定理
  • 第2章 数 学A
  •  2.1  集合と命題
  •   2.1.1  集合
  •   2.1.2  命題
  •  2.2  場合の数と確率
  •   2.2.1  場合の数
  •   2.2.2  確率
  • 第3章 数 学Ⅱ
  •  3.1  等式・不等式の証明
  •  3.2  図形と方程式
  •   3.2.1  直線の方程式
  •   3.2.2  円の方程式
  •  3.3  指数関数と対数関数
  •  3.4  微分法
  •  3.5  積分法
  • 第4章 数 学B
  •  4.1  数列
  •   4.1.1  数列
  •   4.1.2  数列の和
  •   4.1.3  階差数列
  •  4.2  数学的帰納法
  •  4.3 漸化式
  •  4.4 ベクトル
  •   4.4.1 ベクトル
  •   4.4.2 ベクトルの加法
  •   4.4.3 ベクトルの内積
  •   4.4.4 ベクトルの外積
  •   4.4.5 ベクトルの1次独立
  •   4.4.6 図形への応用
  • 第5章 数 学Ⅲ
  •  5.1 関数と極限
  •   5.1.1  関数
  •   5.1.2  数列の極限
  •   5.1.3  関数の極限
  •  5.2  微分法Ⅱ
  •  5.3  積分法Ⅱ
  •   5.3.1  積分
  •   5.3.2  積分の応用
  • 第6章 数 学C
  •  6.1  行列
  •  6.2  式と曲線
  •   6.2.1  二次曲線の方程式
  •   6.2.2  媒介変数表示
  •   6.2.3  極座標
  •     
  • 第Ⅱ部 高校物理
  • 第7章 力と運動
  •  7.1 質点とその運動状態を表す量
  •  7.2  力
  •   7.2.1  力
  •   7.2.2  力の合成
  •   7.2.3  モーメント
  •   7.2.4  いろいろな力
  •  7.3  運動
  •   7.3.1  運動
  •   7.3.2  等速円運動
  •   7.3.3  単振動
  •   7.3.4  仕事とエネルギー
  •   7.3.5  力積と運動量
  •   7.3.6  角運動量
  •   7.3.7  固定軸をもつ剛体の回転
  •   7.3.8  二体問題
  •   7.3.9  万有引力による運動
  • 第8章 熱
  •  8.1  熱運動
  •  8.2  気体の法則
  •  8.3  熱と気体の内部エネルギー
  •   8.3.1  気体の内部エネルギー
  •   8.3.2  熱力学第一法則
  •   8.3.3  定積モル比熱と定圧モル比熱
  •   8.3.4  断熱変化
  • 第9章 波動
  •  9.1  波動
  •   9.1.2  正弦波
  •   9.1.3  波のエネルギー
  •   9.1.4  波の重ね合わせ
  •   9.1.5  ホイヘンスの原理
  •   9.1.6  スリットによる回折
  •   9.1.7  波の反射と屈折
  •   9.1.8  ドップラー効果
  •  9.2  音波と光波
  •   9.2.1  音波
  •   9.2.2  光波
  •   9.2.3  レンズ
  • 第10章 電気と磁気
  •  10.1  静電気
  •   10.1.1  原子
  •   10.1.2  電荷
  •   10.1.3  電界
  •   10.1.4  電位
  •   10.1.5  導体・不導体
  •   【発展:半導体?量子力学を踏まえて】
  •  10.2  直流回路
  •   10.2.1  直流回路と抵抗
  •   10.2.2  コンデンサー
  •  10.3  電流と磁場
  •   10.3.1  磁界
  •   10.3.2  電流が磁界から受ける力
  •   10.3.3  電磁誘導
  •  10.4  交流
  •   10.4.1  交流
  •   10.4.2  交流回路
  • 第11章 原子と電子
  •  11.1  波動と粒子の二重性
  •  11.2  原子
  •  11.3  原子核
  •     
  • 第Ⅲ部 高校化学
  • 第12章 物質の構成
  •  12.1  元素の周期表
  •  12.2  結合
  •  12.3  単体と化合物
  •  12.4  化学式
  •  12.5  化学反応と反応熱
  •  12.6  反応速度と化学平衡
  • 第13章 物質の状態と変化
  •  13.1  物質の三態
  •  13.2  溶液の性質
  •   13.2.1  溶解
  •   【発展:沸点上昇?熱力学を踏まえて】
  •   13.2.2  浸透圧
  •   【発展:ファント・ホッフの法則?熱力学を踏まえて】
  •   13.2.3  コロイド溶液
  •  13.3  酸と塩基
  •  13.4  酸化還元反応
  •   13.4.1  酸化と還元
  •   13.4.2  電池
  •   13.4.3  電気分解
  •   【発展:反応の自由エネルギーと起電力?熱力学を踏まえて】
  • 第14章 無機化学
  •  14.1  非金属元素
  •  14.2  典型元素の金属元素
  •  14.3  遷移元素
  •  14.4  金属イオンの見分け方
  • 第15章 有機化学
  •  15.1 有機化合物
  •  15.2 アルカンとシクロアルカン
  •   15.2.1  アルカン
  •   15.2.2  鏡像異性体
  •   15.2.3  アルカンのハロゲン置換体
  •   15.2.4  シクロアルカン
  •  15.3  アルケンとアルキン
  •   15.3.1  アルケン
  •   15.3.2  アルケンのその他の重要な反応
  •   15.3.3  アルキン
  •  15.4  アルコール
  •  15.5  エーテル
  •  15.6  カルボニル化合物
  •  15.7  カルボン酸とその誘導体
  •  15.8  アミン
  •  15.9  芳香族化合物
  •   15.9.1  芳香族炭化水素
  •   15.9.2  フェノール類
  •   15.9.3  芳香族アミン
  •  15.10  生体構成物質
  •   15.10.1  糖類
  •   15.10.2  脂質
  •   15.10.3  アミノ酸
  • 第Ⅳ部 数 学
  • 第16章 微積分
  •  16.1  微積分
  •   16.1.1  偏微分
  •   16.1.2  重積分
  •   【発展:多重積分の変数変換?行列式を用いて】
  •  16.2  常微分方程式
  •   16.2.1  常微分方程式
  •   16.2.2  一階常微分方程式
  •   16.2.3  二階常微分方程式
  •  16.3  フーリエ級数とフーリエ変換
  •   16.3.1  フーリエ級数
  •   16.3.2  フーリエ変換
  •   16.3.3  フーリエ変換の性質
  • 第17章 ベクトル解析
  •  17.1  ベクトル解析
  •  17.2  直交曲線座標系
  •  17.3  線積分
  •  17.4  ガウス・グリーンの定理
  •  17.5  ストークスの定理
  •  17.6  grad・div・rotの意味
  • 第18章 行列
  •  18.1  行列式
  •   18.1.1  行列式
  •   18.1.2  行列式の展開
  •   18.1.3  連立一次方程式
  •  18.2  行列
  •   18.2.1  行列の種類
  •   18.2.2  逆行列
  •   18.2.3  相似変換の公式
  •   18.2.4  固有値
  •   18.2.5  行列の対角化
  • 第19章 ベクトル空間
  •  19.1  ベクトル空間
  •  19.2  内積空間
  •  19.3  関数空間
  •  19.4  演算子
  • 第20章 複素関数論
  •  20.1  複素平面上での微分
  •  20.2  コーシーの積分定理
  •  20.3  コーシーの積分公式
  •  20.4  留数
  •  20.5  複素関数のテイラー展開
  •  20.6  ローラン展開
  • 第21章 デルタ関数、ガンマ関数、ベータ関数
  •  21.1  デルタ関数
  •  21.2  ガンマ関数
  •  21.3  ベータ関数
  • 第22章 確率
  •  22.1  確率分布の基礎
  •  22.2  基本的な確率分布
  • 第23章 統計
  •  23.1  統計とは
  •  23.2  点推定
  •  23.3  区間推定
  •  23.4  仮説検定
  •     
  • 第Ⅴ部 物理学
  • 第24章 解析力学
  •  24.1  ラグランジアンと最小作用の原理
  •  24.2  ハミルトニアン
  •  24.3  正準変換
  • 第25章 振動・波動
  •  25.1  単振動
  •  25.2  減衰振動
  •  25.3  強制振動
  •  25.4  基準振動
  •  25.5  波動と波動の伝わる速さ
  •  25.6  反射・透過・屈折
  • 第26章 電磁気学
  •  26.1  下準備:立体角
  •  26.2  ガウスの法則
  •  26.3  マクスウェル・アンペールの法則
  •  26.4  マクスウェルの方程式
  •  26.5  ゲージ不変性
  •  26.6  電磁波
  •  26.7  電磁場のエネルギー
  • 第27章 相対性理論
  •  27.1  相対性理論とは
  •  27.2  特殊相対性理論
  •   27.2.1 ローレンツ変換
  •   27.2.2  テンソル
  •   27.2.3  相対論的電磁気学
  •   27.2.4  相対論的力学
  •  27.3  一般相対性理論
  •   27.3.1  等価原理と計量テンソル
  •   27.3.2  共変微分
  •   27.3.3  外力の働かない質点の運動方程式
  •   27.3.4  曲率
  •   27.3.5  アインシュタインの方程式
  • 第28章 量子力学
  •  28.1  量子力学の基礎
  •   28.1.1  シュレーディンガー方程式
  •   28.1.2  物理量とエルミート演算子
  •   28.1.3  不確定性原理
  •   28.1.4  座標表示と運動量表示
  •   28.1.5  シュレーディンガー描像とハイゼンベルグ描像
  •  28.2  水素原子
  •  28.3  近似法
  •   28.3.1  定常状態に対する摂動法
  •   28.3.2  時間に依存した摂動法
  •   28.3.3  変分法
  •  28.4  角運動量
  •   28.4.1  軌道角運動量
  •   28.4.2  スピン角運動量
  •   28.4.3  角運動量の合成
  •  28.5  多粒子系
  •   28.5.1  同種粒子系
  •   28.5.2  多電子原子の電子状態
  •   28.5.3  角運動量間の相互作用
  •   28.5.4  原子軌道
  •  28.6  化学結合
  •   28.6.1  原子価結合法と分子軌道法
  •   28.6.2  ヒュッケル近似
  •   28.6.3  軌道間相互作用の原理
  •   28.6.4  π電子系
  •  28.7  調和振動子と第二量子化
  •  28.8  光子とその放出・吸収
  •   28.8.1  原子と電磁場の相互作用
  •   28.8.2  光子
  •  28.9  ディラック方程式
  •   28.9.1  ディラック方程式
  •   28.9.2  ディラック方程式とスピン
  • 第29章 熱力学
  •  29.1  可逆過程と不可逆過程
  •  29.2  エントロピー
  •  29.3  自由エネルギーと平衡
  •   29.3.1  自由エネルギー
  •   29.3.2  自由エネルギーと平衡
  •  29.4  溶液
  • 第30章 統計力学
  •  30.1  状態の数
  •  30.2  ボルツマンの式
  •  30.3  カノニカル分布
  •  30.4  ボーズ分布とフェルミ分布
  • 付録・索引
  • 付録
  •  ○ ギリシア文字の読み方
  •  ○ 単位系について
  •  ○ 物理定数一覧
  • 参考文献

正誤表

現在、訂正情報はありません。

追加情報


現在、追加情報はありません。