
いま自分の身の回りを見渡してみるだけでも,木材,鉄鋼,アルミニウム,プラスチック,ガラス,紙,繊維,ゴム,石など,各種の材料でつくられたさまざまな物品を見つけることができる。それらのほとんどすべての材料は,構造材料や内・外装材料として建築にも使用されている。つまり一つの建築物をつくるためには,現在さまざまな分野で使用されている多種多様な材料に関する広範囲な情報が必要となる。また,昨今ニューセラミックス,複合材料などの新材料が次々と開発されているが,これらの材料も建築と無関係ではない。建築には多岐にわたる性能が要求されるため,それらの要求に応じた性能を持つ材料は,多数の部材・部品で構成されている建築物のどこかの箇所には有効に適用できるからである。そのため,建築材料について学ぶべき事項は多く,新材料の開発にも常に目を向けておく必要がある。
各種材料の性質を十分に理解し,要求性能に合った材料を適切に選択し使用することが優れた建築物をつくるための出発点であり,建築を学ぶ学生にとって「建築材料学」は,きわめて重要な基礎的習得科目である。
本書は,建築学科学生のための建築材料に関する入門書として作成したものであり,建築物に使用される材料を,安全性を支える「構造材料」と機能性や意匠性を持たせる「非構造材料」に大別して,それぞれの基礎的事項についてわかりやすく説明するとともに,木造住宅と鉄筋コンクリート造事務所ビルにおける「材料の選択と施工の実例」を記載して,建築設計製図や建築士試験に際しても十分活用できるように配慮した。また,建築材料に関するトピックスを「テクニカルワンポイント」として随所に挿入するとともに,専門用語を各頁の右側に解説し理解の一助とした。


お詫び
p.217の図-4.2.2の図題の出典について下記に誤りがございました訂正しお詫びいたします。
「誤」図-4.2.2 軸組在来工法における各部位の名称(「図解」建築の構造と構法)
「正」図-4.2.2 軸組在来工法における各部位の名称(平成19年改訂木造住宅工事仕様書(解説付)
