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恒久グラウト・本設注入工法

―薬液注入の耐久性と耐震補強の設計施工―

書籍情報

著者 米倉亮三・島田俊介・大野康年
ジャンル
発行年月 2008年06月
ISBN ISBN978-4-8446-0731-1
価格 3,570円(本体価格 3,400円)

まえがき

著者の一人(米倉)が総合チェアマンとして東京で開催した「注入工法と深層混合改良技術」に関する国際会議で,薬液注入という言葉の定義を行った.そこではゲルタイムのある注入材を使った注入を薬液注入とし,さらに注入材をグラウト,注入あるいは注入工のことをグラウティングと定義した.

提案し,オランダのH.J.Joostenが1925年に初めて実用化したものであるとされている.ところがこれはあまり使用されることなく経過し,1950年代になって急速に使われ出した工法である,その背景には化学工業が発達したという要因があった.しかしこれが1974年にアクリルアマイド系のグラウトによる事故が起きるに及んで,日本では即刻水ガラス以外のグラウトの使用が禁止された.このような処置は,徐々に世界中に拡がっていって今日に至っている.

ところが水ガラス系のグラウトは,耐久性に乏しいということは公知の事実であり,したがって建設工事にかかわる止水とか地盤の崩壊・沈下などの防止という一時的な効果を期待した,仮設注入に限定して使われるのが通常であった.

このような中で鋭意研究開発を進めた結果,水ガラスを主材としながら耐久性が長期に及ぶ恒久グラウトが誕生し,さらに計画範囲に確実に注入することができる浸透注入工法を確立することができるようになった.

そこで初めて薬液注入工法が仮設工法を脱却して,本設工に採用できる態勢ができたのである.特に既設構造物があるような地盤に永久構造物をつくるときなど,本設工事に使用できる薬液注入工法が,最もその真価を発揮する分野となった。そこで今回これらの画期的技術を纏めて発表することにした.今後この技術が実務面で大いに発展していくことを願うものである.

もくじ

  • 第1章 総 論
  • 薬液注入の質的転換―仮設注入から本設注入へ―
  • 1.1 歴史的経緯
  • 1.2 恒久グラウト・本設注入の研究開発と新規市場の創出
  • 第2章 薬液注入の耐久性
  • 2.1 薬液注入の耐久性とは何か―薬液注入の耐久性の評価基準「耐久性の定義と耐久要件」―
  • 2.2 耐久性を考慮したシリカグラウトの分類
  • 2.3 耐久性を考慮した注入工の目的別分類と注入材
  • 2.4 シリカグラウトのゲル化とゲルの構造と耐久性のメカニズム
  • 2.4.1 シリカグラウトのゲル化
  • 2.4.2 各種シリカグラウトのゲルの構造と耐久性の比較
  • 2.5 薬液注入の耐久性に及ぼす要因と長期耐久性室内試験項目
  • 2.6 室内実験による長期耐久性の実証
  • 2.6.1 シリカの溶脱と耐久性
  • 2.6.2 固結砂の長期耐久性
  • 2.6.3 固結砂の長期止水性と高水圧下における止水性
  • 2.7 現場条件を考慮した耐久性の応用的研究
  • 2.7.1 化学的な環境中のゲルの性質
  • 2.7.2 他の注入材との併用における長期相性とコンクリート構造物への影響
  • 2.7.3 拘束圧下において注入されたグラウトのゲルの状況
  • 2.8 現場における耐久性の実証
  • 2.8.1 現場施工におけるシリカゾルグラウトの長期耐久性の実証調査
  • 2.8.2 高被圧水下のトンネル掘削工事におけるグリオキザール系水ガラスグラウト(GSG)の耐久性の実証
  • 2.8.3 被圧水下の立坑掘削工事におけるシリカゾルグラウトの耐久性の実証
  • 第3章 恒久グラウト・本設注入
  • 3.1 恒久グラウティングの定義と恒久要件
  • 3.2 恒久グラウトの種類と特徴
  • 3.3 恒久グラウト「活性シリカコロイド」
  • 3.3.1 活性シリカコロイドの種類と恒久原理
  • 3.3.2 活性シリカコロイドの固結体の室内実験による恒久性の実証
  • 3.4 懸濁型恒久グラウト「超微粒子複合シリカ」
  • 3.4.1 懸濁型グラウトの耐久性の付与
  • 3.4.2 超微粒子複合シリカ(ハイブリッドシリカ)の恒久原理
  • 3.4.3 超微粒子複合シリカ(ハイブリッドシリカ)のゲル化のメカニズムと特徴
  • 3.4.4 超微粒子シリカの固結物の恒久性の室内実験による実証
  • 3.4.5 超微粒子複合シリカの注入可能限界
  • 3.5 大規模野外注入試験による恒久グラウト・本設注入工法の浸透固結性と経年固結性の実証
  • 3.5.1 浸透固結性の実証試験
  • 3.5.2 経年固結性の実証試験
  • 第4章 急速浸透注入工法の開発と注入技術の質的転換
  • 4.1 急速浸透注入工法の開発
  • 4.1.1 急速浸透注入工法のコンセプト
  • 4.1.2 急速浸透注入工法
  • 4.2 急速浸透注入工法の進歩に伴う注入技術の質的転換
  • 4.3 試験研究機能を有する本設注入試験センター
  • 第5章 恒久グラウト・本設注入の注入設計ならびに施工管理と施工例
  • 5.1 恒久グラウティングの適用分野
  • 5.2 本設注入
  • 5.2.1 本設注入の定義
  • 5.2.2 本設注入と仮設注入
  • 5.3 本設注入の手順―本設注入と仮設注入の違い―
  • 5.3.1 本設注入の手順
  • 5.3.2 仮設注入の手順
  • 5.4 本設注入のための調査法
  • 5.4.1 事前調査
  • 5.4.2 詳細土質調査
  • 5.4.3 環境調査
  • 5.4.4 室内注入試験
  • 5.4.5 透水および強度試験法
  • 5.5 本設注入の設計―本設注入と仮設注入―
  • 5.5.1 適用範囲
  • 5.5.2 仮設設計
  • 5.5.3 本設設計
  • 5.6 施工管理
  • 5.7 改良効果の確認法
  • 5.8 恒久グラウトならびに急速浸透注入工法の施工例
  • 5.8.1 パーマロック・ASF-Ⅱを用いた液状化対策工
  • 5.8.2 ハイブリッドシリカによる基礎の高強度補強,堤防補強と高強度止水壁の構築例
  • 5.8.3 急速浸透注入工法の仮設工事への技術移転
  • 第6章 活性シリカを用いた改良地盤の液状化強度と改良効果の評価法
  • 6.1 供試体の作成方法
  • 6.2 改良土の一軸圧縮強度特性
  • 6.3 改良土の液状化特性
  • 6.4 液状化強度と一軸圧縮強度の関係
  • 6.5 改良地盤のシリカ濃度の測定法
  • 6.5.1 サンドゲル状態の改良土のシリカ質量比の測定法
  • 6.5.2 原位置土のシリカ濃度の測定法
  • 6.6 改良地盤のシリカ濃度の測定
  • 6.7 改良後の原地盤の液状化強度の予測法
  • 6.8 礫混じり砂の液状化強度と一軸圧縮強度
  • 6.9 活性シリカ系薬液の注入による地盤改良土の液状化強度の評価と施工後の管理
  • 6.9.1 地盤調査
  • 6.9.2 注入薬液のシリカ濃度の算定
  • 6.9.3 施工後の確認
  • 第7章 活性シリカを用いた急速浸透注入工法による液状化対策技術
  • 7.1 概要
  • 7.2 活性シリカ液を用いた浸透注入改良砂の特性
  • 7.2.1 改良砂の微視的構造・・
  • 7.2.2 改良砂の変形・強度特性
  • 7.3 液状化対策の調査・設計・施工法
  • 7.3.1 調査
  • 7.3.2 設計
  • 7.3.3 施工
  • 7.4 液状化対策の設計・施工例…
  • 7.4.1 ウォーターフロント構造物基礎の液状化対策例
  • 7.4.2 防波堤基礎地盤の液状化対策例
  • 7.4.3 旧法タンク基礎地盤の液状化対策例
  • 7.5 曲線ボーリングマシンを用いた施工技術
  • 7.6 液状化対策以外の用途―岸壁・護岸裏埋め土の吸い出し防止法―
  • 第8章 新規技術の紹介
  • 8.1 誘導式自在ボーリングを用いた地盤注入技術の開発
  • 8.1.1 誘導式自在ボーリングとは
  • 8.1.2 新規技術の開発―グランドフレックスモール工法―
  • 8.1.3 注入実験検証
  • 8.2 産業副生品の有効利用による地盤改良一リサイクル技術
  • 8.2.1 可塑状FMグラウトによる空洞充填工法
  • 8.2.2 可塑状ゲル圧入工法による地盤改良
  • 8.3 微生物代謝による地盤改良―バイオグラウト―
  • 8.4 生分解土中埋設管バイオパイプによる環境保全型技術
  • 8.4.1 研究開発コンセプト
  • 8.4.2 分解メカニズム
  • 索引

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追加情報


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